Butterバター
パンや焼き菓子づくりで最も重要なのは風味です。そしてあらゆる油脂類の中で豊かな風味を出せるのがバターです。バターはパンや焼き菓子を柔らかくしっとりさせ、またビスケットやパイの皮、パイ生地にはさくさくとした食感を与えます。その素晴らしい風味から、ほとんどのパン職人や焼き菓子職人は無塩バターを選びます。
バターはクリーム状の乳脂肪から作られ、成分は80%以上が乳脂肪、水分が約10%、固形物(主にたんぱく質と塩分)が約2%です。
- バターを短時間で柔らかくするには、3mm幅にスライスし、それをボウルに入れます。バターが非常に冷たい(もしくは半冷凍の)場合は、ボックス型のおろし器の大きめの穴を使ってバターをおろしましょう。おろす前に、忘れずに分量を量っておいてください。素晴らしい風味を失わないよう、電子レンジでバターを柔らかくするのは避けてください。
- バターは冷凍庫で6ヶ程度保存できます。その場合は、パッケージのままアルミ箔でしっかり包んでください。
- 複雑な模様のマドレーヌ型やバント型からケーキをきれいに取り出せるよう、溶かしバターを使います。型の表面に溶かしバターを刷毛で塗り、そのまま冷凍庫に5分ほど入れてください。型を取り出し、溶かしバターをもう一度塗り、小麦粉で打ち粉してから、軽く叩いて余分な粉を落とします。
非発酵バター(スイートクリームバター)
クリームから作られた、アメリカで最も一般的なタイプのバターです。有塩のものと無塩のものがありますが、有塩バターに含まれる塩分はブランドにより異なるため、パンやお菓子を焼く際には、思い通りの風味を出すために無塩バターを使う方がよいでしょう。1/2ポンド(約227g)と1ポンド(約454 g)のパッケージがあり、113g相当の棒状のバター2本または4本が入っています。ホイップバターも約227gのカップ入りで販売されています。
ライトバター
ライトバター(低脂肪バター)は、通常のバターと同じ量で比較すると脂肪分が50%低いバターです。パンやマフィンに付けて食べると美味しいですが、パンやお菓子を焼く際には通常のバターを使うようにしましょう。
発酵バター
発酵バターは、クリームを乳酸発酵してサワークリームにしたものを攪拌して作るバターです。一般的にアメリカよりもヨーロッパで使われますが、カリフォルニアでも入手可能です。発酵バターは非発酵バターに比べ、より強く芳醇な風味が楽しめます。
焦がしバター
パンケーキ生地やパン生地、さらにはケーキなどのアイシングを作る際にもバターを混ぜますが、使用する前に溶かしバターを火にかけて、ナッツの香りのする焦がしバターにすることで、風味や食感、色を変えることができます。約8オンス(約227g)の無塩バターを容量2½クォート(約2.4L)の片手鍋で溶かし、それを沸騰させます。表面に細かな気泡が浮いてきますが、そのまま火にかけ続けます。するとその気泡は次第に消え、最初は大きな、やがて小さな泡が現れます。ごく小さな泡の薄い層ができてきたら、手早くかき混ぜます。バターは茶色くなり、小さな粒子状の茶色い乳固形分が鍋底に溜まってきます。この粒子が焦げ付かないように気を付けましょう。そうすれば美味しい焦がしバターが出来上がります。
澄ましバター
澄ましバターは、一般的なバターを溶かし、乳脂肪分と水分を分離することで作ることができます。澄ましバターは一般的なバターより乳脂肪分が多いため、調理時にはより高温で熱することができます。