Butter milkバターミルク
バターミルクビスケットやバターミルクパイ、コーンブレッドなど、アメリカ南部の家庭料理にコクやほろほろとした食感を与えるために欠かせないのがバターミルクです。バターミルク内の酸と重曹が組み合わさると、軽い仕上がりの焼き菓子が出来上がります。また、バターミルクを使うことにより、より柔らかくしっとりとした食感を得ることができ、風味も増します。
バターミルクは、強い酸味とクリーミーな食感を併せ持つ発酵乳です。バター製造の際にできる副産物ではありません。市販のバターミルクは、一貫した味と質が保てるよう、乳酸菌を加えて酸味と濃度を出していますが、農場で作られるバターミルク同様、いろいろな用途に使うことができます。こってりとした響きの名称とクリーミーな食感から、脂肪分が高いように思われがちですが、バターミルクの脂肪分やカロリーは、実際には驚くほど低いです。
- 水分の多いパンケーキ生地の中で重曹とバターミルクの酸が混ざると、無害なガス(炭酸ガス)が発生します。オーブンで温められると炭酸ガスが膨張し、軽くて柔らかく、風味豊かな焼き上がりになります。
- しばらく放置するとバターミルクが分離してしまうことがあります。よく振ってから使いましょう。
- 鶏肉や豚や牛などの肉をマリネする際にバターミルクを使えば、簡単で低脂肪な上、肉が柔らかなります。また、スープやドレッシング、ソースに加えれば、低脂肪でクリーミーな食感が楽しめます。
バターミルクには無脂肪タイプと低脂肪タイプ(脂肪分1~2%)があります。紙パックに入ったバターミルクには、1パイント(約473ml)、1クォート(約946ml)、0.5ガロン(約1.9L)のタイプがあり、12オンス(約355g)缶に入った乾燥タイプのものは、ほとんどのスーパーの製菓コーナーで扱われています。
- 牛乳約240mlに対し、レモン果汁、ホワイトビネガー、りんご酢のいずれかを大さじ1杯の割合で、お好みのバターミルクの分量になるよう混ぜ合わせ、そのまま5分放置します。
- 無脂肪または低脂肪の無糖ヨーグルト約160mlに対し、低脂肪乳または全乳約80mlの割合で、お好みのバターミルクの分量になるよう混ぜ合わせます。
- ケーキなどのアイシングに牛乳や水を使う代わりにバターミルクを使うこともできます。1ポンド(約454g)の粉砂糖と約30gの無糖のココアパウダーを大きなボウルにふるい入れます。小さめの片手鍋で、4オンス(約113g)の無塩バターを溶かし、バターミルクを大さじ6杯入れます。そこに砂糖とココアを混ぜたものを入れ、よく混ぜ合わせます。バニラを小さじ1杯入れ、目の細かいふるいにかけます。これで10インチ×15インチ(約25cm×約38cm)の長方形のケーキあるいは9インチ×13インチ(約23cm×約33cm)のケーキ2個に十分な量のアイシングが出来上がります。固まるまでしばらく置いておきましょう(4時間から1晩)。
- バニラアイスクリームを作る際に、全乳の代わりにバターミルクを使うこともできます。
- ご家庭でクレームフレーシュを作るには、脂肪分の高い生クリーム(できれば乳脂肪分40%)約240mlにバターミルク大さじ1杯を入れ、約38℃になるまで温めます。瓶に注ぎ、蓋をしてよく振ります。もったりしてくるまで8時間から12時間、室温で置いておき、その後冷蔵庫に入れれば、よりしっかりしたクリーム状になります。冷蔵庫で10日程度保存できます。