Fluid Milk牛乳
カスタードソースやクッキー、ケーキ、パンなど、パンや焼き菓子づくりのためのレシピの多くで牛乳が使われています。牛乳はパイ皮やクッキー、ビスケットなどの焼き菓子の特長であるきつね色の焼き色がつくのを助け、パンの品質を保ち、柔らかいクラスト(外側の皮の部分)を作ります。牛乳に含まれるたんぱく質や糖(ラクトース)が加わることで、水を使った時よりも、パンや焼き菓子が甘くなり、きれいなきつね色になります。全乳は脂肪分も加え、味わいをより濃厚にし、パンのクラム(中の白い部分)をよりソフトにします。
新生児に栄養を与えるためにすべての哺乳類が作り出すものがミルクであり、牛乳は人間にとっても栄養価の高い食物となります。アメリカで市販されているミルクのほとんどは乳牛から絞られた牛乳です。
- ほとんどの場合、パンや焼き菓子を作るときにクリームを牛乳で代用することで、レシピ通りに作るより脂肪分を減らすことができます。牛乳を料理に使うと、簡単かつ風味豊かにカルシウムなどの栄養素を足すことができます。
- 牛乳を温めながらやさしくかき混ぜれば、焦げ付きを防ぐことができます。温めている間に「膜」ができてしまったら、すくい取ればよいだけです。
- すべての牛乳が同じように生産されているわけではありません。アメリカで市販される飲用乳は、脂肪分と無脂乳固形分に関してアメリカ食品医薬品局が定めた最低基準を満たさなければいけません。しかし、カリフォルニア州は牛乳について、国の基準を超える高い栄養基準を独自に設けています。カリフォルニア州の栄養基準を満たした牛乳は、アメリカの連邦基準を満たした牛乳より、たんぱく質、カルシウムなどの栄養素をさらに豊富に含んでいます。
パンや焼き菓子を作る際、飲用乳のほとんど(無脂肪乳、低脂肪乳、全乳など)は、互換的に使用することができます。無脂肪乳や乳脂肪分1%の牛乳を使うと、その分味わいの濃厚さは薄まることとなります。パンや焼き菓子の脂質を減らしたい場合は、乳脂肪分2%の牛乳を使うのがベストです。飲用乳は一般的に、ハーフパイント(約237ml)、1パイント(約473ml)、1クォート(約946ml)、ハーフガロン(約1.9L)、1ガロン(約3.8L)の容器で販売されています。
全乳
カリフォルニア基準で生産された全乳には、3.5%以上の乳脂肪分と8.7%以上の無脂乳固形分が含まれています。
脂肪低減乳(乳脂肪分2%)
カリフォルニア基準で生産された脂肪低減乳(乳脂肪分2%)には、2%以上の乳脂肪分と、10%以上の無脂乳固形分が含まれています。
低脂肪乳(乳脂肪分1%)
カリフォルニア基準で生産された低脂肪乳(乳脂肪分1%)には、1%以上の乳脂肪分と11%以上の無脂乳固形分が含まれています。
無脂肪乳
カリフォルニア基準で生産された無脂肪乳には、0.2%以下の乳脂肪分と9%以上の無脂乳固形分が含まれています。
超高温殺菌(UHT)乳
超高温殺菌(UHT)乳は、通常の加熱殺菌に比べ、高い温度でごく短時間の加熱殺菌を行い生産されています。UHT乳は(殺菌処理を施したパックに)無菌包装されており、冷蔵しなくても3ヶ月保存可能です。パックを開けたUHT乳は冷蔵しなければなりません。
無糖練乳(エバミルク)
無糖練乳(エバミルク)は、乳から60%の水分を取り除いて作られています。この乳濃縮液を均質化し、缶に詰め、殺菌します。缶を開けなければ、無糖練乳は常温で保存可能です。市販の無糖練乳には、無脂肪タイプ、低脂肪タイプ(乳脂肪分2%)全乳タイプ(乳脂肪分4%)があり、5オンス(約148ml)缶または12オンス(約355ml)缶に入っています。
加糖練乳(コンデンスミルク)
加糖練乳(コンデンスミルク)は、均質化したミルクに砂糖を加え、約50%の水分を取り除いて作られています。この加糖された乳濃縮液を缶に詰めるのですが、最終製品の糖分は約44%となり、この糖分がコンデンスミルクの長期保存を可能にしてくれるのです。缶入りのコンデンスミルクは、缶を開けなければ常温で保存可能です。市販のコンデンスミルクは14オンス(約414ml)缶に入って販売されています。
脱脂粉乳
脱脂粉乳は、低温殺菌した無脂肪乳から約97%の水分を取り除いて作られています。
- 低脂肪乳(乳脂肪分1%)を全乳で代用する場合は、約240mlに対し、クリームを小さじ1杯加えてください。
- ハーフ・アンド・ハーフの脂肪分が少なめのクリームを作りたい場合は、同量のクリームと無脂肪乳とを混ぜるようにします。
- 全乳約240ml分を作りたい場合は、約120mlの無糖練乳と同量の水とを混ぜます。
- パイのクラストやパン表面をきれいなきつね色に仕上げたければ、オーブンに入れる前に刷毛でミルクを塗りましょう。
- ミルクバタークリームのアイシングは、これまで何年もご家庭でパンや焼き菓子づくりを楽しむ人たちの人気を集めてきました。全乳約240mlに対し中力粉大さじ3杯を入れ、泡だて器でよくかき混ぜます。これを容量1.5クォート(約1.4L)の片手鍋で弱火にかけ、少しもったりするまで温めます。片手鍋を火からおろし、中身を大きなボウルに移します。表面に膜ができないよう、ラップでしっかりカバーし、完全に冷めるまで置いておきましょう。無塩バター8オンス(約227g)とグラニュー糖1カップ(約200g)、バニラエクストラクト小さじ1杯を、電動ミキサーで全体が軽くふんわりするまでかき混ぜます。先ほど冷ました「ホワイトソース」を大さじ1杯ずつ加え、分離したりざらざらとした食感が残ったりしないよう、しっかり泡だて器でかき混ぜます(かき混ぜている合間に、冷蔵庫に入れて冷やしてもよいでしょう)。直径8インチ(約20cm)または9インチ(約23cm)の2層ケーキの上面とサイドに塗るのに十分な量のアイシングが出来上がります。