Pairing Cheese and Wineチーズとワインのペアリング
チーズもワインも、発酵して作られる生きた食品と言えます。どちらも古くからある食材で、その味は季節ごと、年を重ねるごとに変化していくという共通点を持つ不朽のパートナーです。そのため、ワインとチーズのペアリングの探求は楽しいものですが、時には難しくもあります。おいしいチーズを食べる喜びは、適切なワインとペアリングすることでより一層高まります。厳密なルールはほとんどなく、専門家さえも最終的に完璧なペアリングは個人の好みによると認めています。
基本的なガイドライン
ペアリングで味のコントラストが出るように合わせたり、反対の味を組み合わせたりするのも一つの方法です。塩気の強いチーズとフルーティーなワインは、素晴らしい組み合わせになります。その時、それぞれの味の強さが似ているものを選ぶように心がけましょう。例えば、塩気の強いチーズはフルーツ感が前面に出ているワインと合わせ、塩気が弱いセミハードチーズはフルーツ感が控えめなワインと合わせる、といった具合です。
チーズとワインのペアリングは、コントラストよりも似ている点がよく重視されます。繊細なチーズと軽めのワイン、濃厚な味わいのチーズとフルボディのワイン、ハードで熟成したチーズと年代物のワインをペアリングし、味や質感を合わせ楽しみましょう。
チーズを食すと、口の中がコーティングされ、デリケートなワインや複雑なワインのニュアンスを鈍らせ、タンニンを強く感じる可能性があることは覚えておきましょう。クリーミーなチーズは、タンニンが控えめで爽やかな風味を持つ軽めのワインとの相性が良いです。
チーズとワインをおいしく楽しめる組み合わせを、以下にいくつかご紹介します。
- シンプルなチーズには軽めのワインを合わせます。若くてマイルドなチーズに複雑な味わいのワインを合わせるのは避け、ソーヴィニヨン・ブランやリースリング、フルーティーなロゼワインなど、軽くてさっぱりとしていてマイルドでフルーティーなワインを選ぶようにしましょう。
- 熟成されたマイルドなチーズには、年代物のマイルドなワインを合わせましょう。チーズの専門家であるローラ・ウェリン (Laura Werlin)氏は、著書『The All American Cheese and Wine Book』の中で、チーズやワインは、年月とともに丸みを帯びてまろやかになり、「どちらも注目を集めようと必死になっていないので、しっくりくる相手を見つけることができる」と指摘しています。彼女が例として挙げている組み合わせには、熟成ゴーダとシラー、チェダーとカベルネ・ソーヴィニヨンがあります。
- 強く刺激的なチーズと甘口ワインのペアリング。風味の強いチーズには、滑らかでバターのような食感のものや、ホロホロとして癖の強いものがあります。このような風味豊かなチーズには、ポートワインや晩熟ぶどうのリースリングなど、対照的な甘口ワインを合わせてみましょう。
- 白ワインは赤ワインよりも全体的にチーズに適しています。白ワインは一般的に酸味が強くフルーティーなので、大抵のチーズの塩気とよく合います。ジューシーで果実味と酸味の控えめな赤ワインは、タンニンの少ないものであれば、チーズとの相性は良いです。ウェリン氏曰く、チーズがワインの風味に与える影響は、その逆よりもはるかに大きく、チーズはワインの苦味を引き出したり、さらには苦味を生み出したりすることがあると指摘しています。白ワインがチーズと相性が良い主な理由は、白ワインは通常、オーク樽をあまり使用していないからです(一部のシャルドネを除く)。赤ワインは通常オーク樽で作られ、オーク材は多くのタンニンを含みます。それゆえにチーズとのペアリングがより難しくなるのだと指摘しています。
- デザートワインは甘いので、チーズの塩気とのコントラストが生まれよく合います。デザートワインの豊かな甘みは、刺激的でクリーミーなチーズや土っぽくて強さのあるハードチーズと幅広く合います。ブルーチーズは通常、デザートワインと相性が良いです。ウェリン氏は、コントラストを強調するペアリングを作るときは 「対等で反対のもの」であるべきだと指摘しています。つまり、マイルドな塩味のチーズにはマイルドな甘味のワインを、塩味の強いチーズには甘味の強いワインを合わせてみましょう。