カリフォルニアのワイン生産者が生み出したワインが今や世界トップクラスの格付を誇るのと同様、カリフォルニアのチーズ生産者もまた新たな種類のチーズで世界中のグルメを喜ばせ、アメリカのチーズづくりにおけるルネッサンスを牽引しています。“Real California”(リアル カリフォルニア)のマークが付いたチーズが世界中でさまざまな賞を受賞していることを、私たちは誇りに思っています。
カリフォルニアでは、50以上のチーズ生産者がカリフォルニア産の生乳のみを用いて250以上の種類やタイプのチーズを生産しています。タイプも風味も熟成度合も異なるこれらのチーズですが、大きくは次の5つのグループに分けられます:フレッシュ(非熟成)チーズ、ソフトタイプチーズおよび熟成ソフトチーズ、セミハードチーズおよびハードタイプチーズ、超硬質チーズ、スパイス入りチーズおよびフレーバーチーズ。
- フレッシュ(非熟成)
- ソフトタイプ および熟成ソフト
- セミハード およびハードタイプ
- 超硬質
- スパイス入りチーズおよびフレーバーチーズ
フレッシュ(非熟成)チーズ
フレッシュチーズは、熟成させていない若いチーズです。このため、熟成させたチーズに比べ保存期間は短く、商品には賞味期限が付けられています。フレッシュチーズは一般的にソフトな食感で、新鮮な全乳と似た風味があります。新鮮な牛乳同様、フレッシュチーズは必ず冷蔵庫で保存しなければなりません。
カリフォルニア産の人気のフレッシュチーズ
カリフォルニアで生産されている人気の高いフレッシュチーズには、以下のようなものがあります:
カリフォルニア産のヒスパニック系フレッシュチーズ
最近人気が高まっているヒスパニック系フレッシュチーズ。カリフォルニアのチーズ生産者は、以下のようなさまざまなタイプのヒスパニック系フレッシュチーズを生産しています:
カリフォルニア産の中東系フレッシュチーズ
カリフォルニアのチーズ生産者が作る中東系フレッシュチーズには以下のようなものがあります:
あなたのメニューを簡単にアップグレードすることができます。これまで使ってきたチーズや乳製品を、伝統製法で作られた高級カリフォルニア産チーズに代えてみましょう。
ソフトタイプチーズおよび熟成ソフトチーズ
このタイプのチーズは総じてソフトな食感を持っていますが、比較的短時間の熟成も経ています。このカテゴリーに属するチーズはすべて水分量が多く、若いうちはマイルドですが、多くの種類は時が経つにつれ、より芳醇な風味に変わっていきます。以前は輸入物しかありませんでしたが、今ではカリフォルニアのチーズ生産者が、伝統的かつ革新的な素晴らしいクオリティのソフトタイプチーズや熟成ソフトチーズを生産しています。
カリフォルニアで生産されている人気の高いソフトタイプチーズや熟成ソフトチーズには以下のようなものがあります:
セミハードチーズおよびハードタイプチーズ
「セミハード」や「ハード」という表記は水分量を示しており、食感を示しているわけではありません。事実、このカテゴリーのチーズの食感はさまざまで、半硬質のものから非常に硬質のものまであり、また数週間と非常に若いものから数か月あるいはさらに長期間の熟成を経たものまでとさまざまです。ソフトタイプチーズや熟成ソフトチーズに比べると水分量が少ないため、よりしっかりした形状をしています。
このタイプのチーズの中には、次のような非常に人気の高いチーズが含まれています:
このタイプのチーズとしてカリフォルニアの特産と呼べるものには、以下のようなものが含まれます:
カリフォルニアのチーズ生産者は、人気の高いモントレージャックやチェダーなどをはじめとしたさまざまなチーズの低脂肪バージョンを生産しています。
チーズの盛り合わせや試食用アソートを作る際は、異なる食感や風味を楽しめるよう、フレッシュチーズ、ソフトタイプチーズ、セミハードチーズ、ハードタイプチーズを組み合わせるようにしましょう。
超硬質チーズ
あらゆるチーズの中でも水分量が少なく最も硬質なチーズ。「おろし金でおろすチーズ」とも呼ばれるこれらの超硬質チーズは水分量が少ないため、長期保存にも耐えられます。カリフォルニア産牛乳でできた超硬質チーズには、以下のようなものがあります:
コティハやエンチラードなどのイタリア系チーズにも、「アネホ」(熟成した)と呼ばれる、非常に水分量が少なくホロホロとした食感のタイプのものがあります。カリフォルニア産超硬質チーズとして最も有名なものはおそらくドライジャックでしょう。このチーズは最低でも9か月、時には何年もかけて熟成されます。第一次大戦中、イタリアからの輸入が止まり、イタリア産チーズが手に入らなくなったときに、その代用品としてサンフランシスコで生まれたドライジャックは、現在では複数のチーズ生産者の手により生産されています。
スパイス入りチーズおよびフレーバーチーズ
チーズにスパイスやフレーバーを加えることは昔から行われてきましたが、今ではすっかりカリフォルニアのチーズ生産者が得意とするジャンルとなりました。フレーバーチーズのベースとしてお馴染みなのはジャックやチェダーですが、カリフォルニアのチーズ生産者は、その他さまざまな種類のチーズを使ってフレーバーチーズを生産しています。また、フレーバーの種類も、バジルソース、ガーリック、ハラペーニョ、オニオン、ブラックペッパー、グリーンチリ、クミン、キャラウェイ、サンドライトマトなど、ますます広がりを見せています。ジャックやチェダーに加え、次のようなチーズのフレーバーチーズバージョンが市販されています:
おろしたパルメザンを使うメニューでは、熟成ゴーダやアシアーゴ、ドライジャックなど、違う種類のカリフォルニア産チーズを使ってみましょう。そうすることで、パスタやピザ、その他さまざまな料理に、より興味を持ってもらうことができるでしょう。
セミハードチーズやハードタイプチーズは驚くほどいろいろな料理に使うことができます。スライスしてサンドウィッチに、さらにピザやオムレツ、グリルドサンドウィッチなど温かい料理に使えば、抗しがたい「とろけるチーズの魔法」で食べる人を魅了できます。
ヒスパニック系チーズ―ケソ
豆料理やソフトタコス、ウエボス・ランチェロスなどのヒスパニック系料理を作る際は、ケソ・フレスコやケソ・ブランコを砕いたものを載せ、その料理が本格派だとアピールし、鮮やかな色のコントラストを出しましょう。
カリフォルニアは、ヒスパニック系チーズをアメリカで最も多く生産している州で、カリフォルニア産生乳のみを使って生産されたナチュラルチーズです。現在、“Real California”(リアル カリフォルニア)のシールを貼った25以上もの種類やタイプのヒスパニック系チーズが販売されています。ヒスパニック系チーズには、大きく分けて、フレッシュチーズと熟成チーズの2タイプがあります。
フレッシュチーズ
熟成チーズ
販売するチーズが食品安全の基準を満たし、魅力的なチーズだとお客様の目に映るよう、以下の保存と取り扱いについてのガイドラインを守りましょう。
さまざまな保存法:管理が重要+
正しくチーズを保管するために、しっかりとした管理が必要な2つの要素は、温度と湿度です。
チーズを保管するのに理想的な温度は5.5°C~10°Cです。一般論としては、水分量が多いチーズ(水分量50%以上)は低温で保存しなければなりませんが、水分量が少ないチーズ(水分量50%未満)は若干高めの温度でも保存できます。
チーズのタイプにより理想的な湿度は変わりますが、大抵のチーズは湿度70%~80%であれば問題なく保存できます。湿度の高い環境下であればあるほど、カビが生えやすいため、白カビタイプのチーズやブルーチーズには、高めの湿度が必要です。お持ちの冷蔵庫がチーズ専用のものでない場合、湿度コントロール機能がなく、理想より低い温度に設定されているかもしれません。そのような場合、庫内で比較的温度が高い場所を見つけてチーズを保存してください。通常、ドア近くあるいはコンプレッサーの近く(ただし近すぎてはいけません)が、チーズ保存に向いた場所です。温かい空気は上に上がり、冷たい空気は下に留まることから、腰の高さより下にチーズを保存しないようにすることを忘れないでください。
フレッシュチーズ以外のすべてのタイプのチーズについては、以下の一般的な保存に関するヒントを守るようにしましょう:
- ラップはすぐに取り除き(ビニールラップはチーズが呼吸するのを妨げます)、チーズの種類ごとに保存します。
- 標準的なホテルパンサイズでしっかり蓋ができるプラスチックの食品用容器に、凹凸のついたバーマットを敷き、そこにチーズホイールを丸ごと載せます(このバーマットはVexar(ベクサー))とも呼ばれますが、これはスーパーの商品棚で使われる樹脂ネットを指します)。外側が固い皮で覆われていない真空包装のチーズは、入っていたボックスのまま保存して構いません。
- 大抵のチーズは積み重ねることができますが、空気の流れを妨げないよう、間にVexarの層を挟むようにしてください。
- 湿度を上げるには、水で濡らした清潔な小型のペーパータオルを、チーズには触れないよう容器の隅に置くようにします。
- 湿度を下げるには、濡れていない清潔なペーパータオルをくしゃくしゃに丸めたものを1~2枚置いてください(大抵のリーチイン形冷蔵庫は湿度が高すぎます)。
- 週に1度蓋を開け、新鮮な空気を入れて、チーズを呼吸させます。
- 2週間ごとに、ペーパータオルと容器を交換しましょう。
- カットされたセミハードチーズやハードタイプチーズ、または白カビタイプやウォッシュタイプチーズなどのカット断面については、カビが生えるのを防ぐため、その断面にオリーブオイルまたはベジタブルオイルを塗るのもよいでしょう。
- フェタチーズは塩水に漬けたまま、ブルーチーズはアルミ箔に包んで保存します。
- カット後は、より小さな家庭用サイズの食品容器に、丸めたペーパータオルと共にカット後のチーズを入れて保存するようにします。あるいは、チーズをブッチャーペーパーやクラフト紙、パラフィン紙などで包んでください。
- 匂い移りを防ぐため、ウォッシュタイプチーズやブルーチーズ、フレーバーチーズ、白カビタイプのチーズは別々の容器で保存するようにします。重力の存在をお忘れなく:2週間ごとにチーズをひっくり返してください。こうすることで、水分量が均等となり、自然な脂肪分が全体に行き渡るため、うまく熟成します。
非熟成フレッシュチーズ+
非熟成フレッシュチーズは、新鮮な牛乳と同じように扱わなければなりません。低い温度で保存し、他の食品から匂いを吸収するのを避けるためしっかりと容器に蓋をし、容器を開けたらすぐに使いましょう。フレッシュチーズにカビが生えていることに気付いたら、そのチーズは廃棄してください。ソフトタイプチーズおよび熟成ソフトチーズの場合は: 受け取り時にチーズが通気用の穴の開いたビニールのチーズ専用ラップと薄紙のシートで包まれている場合に限り、そのまま保存することができます(このようなタイプの包装はチーズの水分量を安定させてくれるため、ブリーのようなチーズ用に使われることが多くなりました)。アルミ箔で包んでもよいでしょう。ビニールラップに包まれてきた場合は、速やかにそのラップを外し、ブッチャーペーパーやクラフト紙、パラフィン紙で包み直してください。このタイプのチーズはプラスチックの食品用容器に入れて、冷蔵庫内の比較的温度が高めの場所で保存します。
セミハードチーズおよびハードタイプチーズ(チェダー、ジャック、ゴーダ)+
ハードタイプチーズを保存するには、ビニールラップを外し、ブッチャーペーパーやクラフト紙、パラフィン紙、あるいはアルミ箔で包み直します。Vexar (ベクサー)に載せ、しっかりと蓋のできるプラスチックの保存容器で保存しましょう。これらのタイプのチーズは、冷蔵庫内の少し温度が低めの場所で保存することが可能ですが、一番温度の低い場所には置かないようにしてください。
超硬質チーズ(ドライジャック、熟成ゴーダ)+
超硬質チーズの場合は、パラフィン紙で包装するか、清潔な空のプラスチックの保存容器に入れて保存します。冷蔵庫内で温度が低く湿度が高すぎない場所、たとえば下の棚に置くようにしましょう。チーズ自体がかなり重いため、その方が楽に扱えます。
カビに対処する+
ほとんどのカビには害はありませんが、中には毒素を出すものもあり、それがチーズに染み込む可能性もあります。カビが生えやすくなる条件としては、保存時の湿度が過度に高いことや温度が高いこと、取り扱いの不備、調理台の衛生状態の悪さ(次項を参照のこと)、包装の不備などが挙げられます。チーズの専門家はチーズを室温で4時間以上放置しないようにとアドバイスしています。温かい気温にさらすことでカビが生えやすくなると共に、チーズから水分がにじみ出し、結果的に乾燥してしまいます。カビが生えてしまった場合は、カビが入り込んでしまっている一番奥の部分から約6.4ミリメートルから約12.7ミリメートル下までを削り取りましょう。カビが広がってしまっている場合は、その箇所全体を切り取り、廃棄してください。
調理台は清潔に+
以下は、チーズをカットするための調理台が細菌で汚染されないようにするための適切な衛生手順です:
- チーズ専用のカッティングボードであることが分かるよう、ラベルを付けます。これは違う食品の匂いが混じり合うことを避けるための措置です。
- 異なるカテゴリーや異なるタイプのチーズを切る場合、毎回調理台全体を拭くようにします。除菌のため、水約3.8リットルに対し漂白剤大さじ1杯を溶かし、きれいなタオルを浸して絞ったものを使用します。この分量はしっかり守りましょう。漂白剤が多すぎると、健康に有害だからです。また、異なるタイプのチーズを切るときは、チーズが変わる毎にナイフを洗うようにしてください。
- 違う種類のチーズを切る際やチーズを切り終わった時には、カッティングボードに残ったチーズをベンチスクレーパーで完全に取り除いてください。さらに前述の消毒液で表面全体をしっかり拭くようにします。