Cheese Tasting & Appreciationチーズテイスティングの楽しみ方
感覚的な語彙量が多いと、チーズの風味の持つニュアンスをお客様に説明するときに役に立ちます。さらに、「チーズの持つ物語」を伝え、分かりやすく魅力的な説明をすることで、テイスティング体験を向上させることができます。カリフォルニアのミルクから作るチーズには、さまざまな風味、食感、スタイルがあります。感覚的な言葉を使ってチーズを説明できれば、チーズについて説明する際や、個人の好みを判断する際に役立ちます。
チーズのもつ豊かな味わい
私たちは何かを食べる時、聴覚、視覚、触覚、嗅覚、味覚のすべての感覚を使います。この感覚は、食べ物の見た目、香り、食感、風味に対する反応に変換されます。チーズのもつ豊かな味わいを表現するのに使う言葉は、これらの感覚的な経験に基づいています。
見た目
最初にチーズを見たら、淡い白からオフホワイト、バターのような色、黄金色、青みがかった色など、その色のニュアンスに注目してみてください。また、柔らかい、スプーンですくえるくらいの柔らかさがある、硬い、ホロホロと砕けやすいなど、チーズの水分量による違いにも注目してみてください。外見を表す言葉としては、柔らかい、流れるよう、硬い、ホロホロと砕けている、ドライ、しっとりしている、滑らか、粗い、カビが生えている、白、黄色、オフホワイト、オレンジ色などがあります。
香り
チーズの香りは、牛の飼料や牛乳のバター脂肪含有量、チーズを製造する際に使われたスターターや酵素など、多くの要因によって作りあげられます。チーズを熟成した時間の長さ、どの程度塩漬けされたかは、チーズの香りを強めるのに影響を与えます。
チーズを口に入れる前に、ワインを飲む時のようにチーズの香りを嗅いでみましょう。最初の一口を口に含み、少し空気を口に吸い込み、香りが鼻腔全体に広がるようにします。そのチーズを際立たせる香りに注意を払ってみてください。香りと味が合わさって、チーズの味をより感じられるようになります。香りを表す言葉としては、マイルド、繊細、ミルキー、フレッシュ、クリーミー、塩味が強い、甘い、強い、刺激的、土っぽい、カビっぽい、などがあります。
食感
チーズは非常に柔らかいもの(ソフト)から非常に硬いもの(ハード)まであり、セミソフト、しっかりとした硬さ、ハードタイプがその間に含まれます。チーズの水分と乳脂肪が高いほど、口当たりが滑らかになります。なめらかな食感(モントレージャック、高水分モッツァレラ、ケソ・パネラ)の他には、クリーミー(マスカルポーネ、フロマージュ・ブラン、クレッシェンツァ、テレメ)、ホロホロとしている(フェタ、コチハ)、非常に硬い(ドライジャック、熟成ゴーダ)、または筋状(低水分モッツァレラ、オアハカ)などがあります。食感は熟成度の目安にもなり、多くの柔らかく熟成させた白かびタイプのチーズは、熟していればいるほど柔らかく、クリーミーになります。
チーズの一部を指でこすって、ソフト、セミハード、ハードの違いを感じてみてください。それぞれの水分や乾燥度の違いがわかると思います。すぐに噛んで飲み込むのではなく、口の中でチーズを動かして舌にある味蕾を刺激してみてください。口の中に広がりコーティングするようなチーズもあれば、口に残らずすっきりしているものもあります。
食感を表す言葉には次のようなものがあります。柔らかい、しっかりしている、硬い、しっとりしている、流れるよう、ホロホロと砕けている、粒状、クリーミー、バターのような、ゴムのような、ワックス感が強い、油っぽい、粉っぽい、塗りやすいなどがあります。
味
食べ物には風味と味があります。チーズを鼻に近づけたときの香りと口に含んだときの味が全く違うことを感じたことがあるかもしれません。風味とは、通常、味覚と嗅覚が混ざったものを指します。味とは、甘味、酸味、苦味、塩味など、私たちが味蕾を介して受け取る感覚のことを指します。食品科学者は現在、第五の味覚としてうま味があるとしています。これは、キノコ、肉、魚介類、牛乳、チーズなどの食品に含まれるL−グルタミン酸に関連していることが多い良い味わいです。食品を乾燥させたり、発酵させたりすることで、「うま味」が凝縮されるようです。若いチーズと熟成されたチーズを比べ、うま味を感じてみましょう。
ゆっくりとチーズを口に含んでみて、どの味が先に現れるか、どの味が後の方に現れるのか、またどの味が口に残るのかを確認してみてください。味を表す言葉としては、甘い、マイルド、ミルキー、バターのような味、繊細、塩味が強い、シャープ、酸味のある、酸っぱさがある、癖が強い、レモン風味、苦味のある、ナッツ風味、ピリッとしている、スモーキー、イースト風味などがあります。